今回はタイトルの通り、飛行機のドアの開閉の疑問について、解説したいと思います。
飛行機は、乗っている人がドアを開け閉めしなくてもいい、数少ない乗り物ではないでしょうか。
その理由をみていきましょう。
ドアの機能
飛行機のドアには、人が出入りするためのドアそのものの機能と、実はもう一つの機能があります。
それは、緊急脱出が必要な時に脱出用スライドを展開するという機能です。
飛行機に乗るとわかりますが、出発前に、客室乗務員はドアモードを変更してくださいといった放送が流れます。
ANAでは、「キャビンアテンダント、セット スライドバー」と英語で連絡しているのがわかります。
カンタス航空は少し昔の記憶ですが、「Cabin attendant, arm all doors」と機長が言っていた記憶があります。
何をしているかというと、ドアモードの変更をしています。
飛行機の機種によって詳細は異なりますが、基本的に大きく分けてドアには「ディスアームド(disarmed)」と「アームド(armed)」の2モードがあります。
内側からドアを開ける場合
ディスアームドのモードでは、ドアはドアの機能しかなく、ドアを内側から開けても何も起きません。
アームドのモードでは、ドアを内側から開けると、同時に緊急脱出用スライドが展開します。
有事の際に備えてすぐに脱出できるよう、通常の運航では、出発前にドアをアームドにします。
逆に地上にいるときは通常では、ディスアームドにします。
こちらのマイナビニュースの記事に、とてもよくまとめられています。
飛行機は型式証明というのを取得して、飛行機として飛んでいいですよと規制当局から許可を受ける必要があります。
この時の一つの要件として、満席時に乗客乗員全員が使用可能な非常口の半分を使用して、決められた秒数以内(例えば90秒以内)に緊急脱出できる設計でなければならないという項目があり、このようにドアにスライドを展開させる機能を持たせて、すぐに脱出できるようにしているわけです。
ちなみに世界最大の航空機エアバスA380のテストの様子はこのビデオで見られます。
満席の状態で暗闇の中、全員が脱出します。
外側からドアを開ける場合
では、外側から開けるとどうなるでしょうか?
外側に人がいるわけですから、スライドが展開したら命にかかわることになってしまいます。
そのため、ドアモードにかかわらずスライドは展開しません。
このことから、外側から開ける利点としては誤ってスライドを展開する間違えを避けられる点がありますね。
外から開ける場合は、地上の業務を行う係員がドア開け閉めしていますね。
客室乗務員が開け閉めする会社もありますし、この地上係員が開け閉めする会社もあります。
このビデオをみるとよくわかります。
ライアン航空はユニークで、客室乗務員が階段も、しまいます!ビデオの最初に出てくるやつです。
次に飛行機に乗るときに、ドアの開け閉めの様子と出発前の放送を聞いみてください。
また異なった視点から空の旅を楽しめますね!