皆さんはパブリックコメントをご存知ですか?知らないという方は多いのではないでしょうか。
私は仕事柄、法改正に触れることが多く、今回はパブリックコメント制度について紹介したいと思います。
パブリックコメントとは?
パブリックコメントとは、行政機関が政令や省令等を定める際に、行政手続法(第38条~第45条)に基づき国民の意見等を集めることです。

行政機関が政令や省令を定めることを行政立法と呼びます。
ん?行政機関が立法?憲法には、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」と書いてあるはずだ。と勘のいい人は気づくかもしれません。
義務教育で、国会が立法、内閣が行政、裁判所が司法という三権分立を習いましたよね。
行政立法とは?
では行政立法とは?
行政は法律の委任に基づき、立法することができます。
例えば、「航空運送の用に供する者は、国土交通大臣の定めるところにより、事業計画を提出しなくてはならない。」なんていう法律があるとすると、法律では事業計画を提出することを定めていますが、どのようにという部分は行政(この例では国土交通省)に委任され、行政立法で決定することができます。
行政はこの手続きの内容を定めるにあたり、行政手続法に基づき国民の意見を広く募集する、ということになりパブリックコメントを実施します。
パブリックコメントにはどんなものがあるか?
実は、私たちの知らないところで、多くのパブリックコメントが行われています。見てみると興味深いものもあります。
我々の生活に直結するような内容から、産業全体に影響のあるものなど、様々です。
パブリックコメントのサイトはこちらです。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public
このページを書いているときに挙げられていた内容としては、例えば、
「自衛隊出身操縦士に対する計器飛行証明(飛行機)の実地試験について」の制定に関する意見募集について
がありました。
自衛隊から民間の航空会社に転職し、民間パイロットとして仕事をする上で、自衛隊では必要のない資格である計器飛行証明取得の負担を軽減するというものです。
この内容について、賛成!反対!などなど、我々国民の意見を述べることができるのです。
ただ、現実的に国民全員の意見を聞くことはできないため、検討段階から有識者検討会などを開き、国民の意見を募集したという解釈のもと勧められることも多いようです。
皆さんの生活や仕事に直結するような内容もあるかもしれません。
読んでみると勉強になりますし、こんなのあるんだと結構興味深いですよ。