留学をしたいがなかなか踏み切れない。子供が留学したいと言っているが、どうすればいいかわからない。そんな方に私が留学を決めた経緯を簡単に紹介したいと思います。参考になれば幸いです。
留学は言語を学ぶ機会ではない
留学は英語を学ぶ機会ではありません。英語を勉強したいなら国内の学校でできます。留学には費用がたくさん掛かります。英語を勉強したいのであれば、留学はやめなさい。
高校の先生
大学では留学してみたい。そんな「感覚」を持っていた当時高校生であった私でしたが、高校の先生のから進路相談で言われた内容がショッキングでした。
今はその意味がよくわかりますが、その当時は、夢見る高校生にとっては重たい、よくわからない言葉でした。
私の高校には普通科と国際教養化がありました。私は千葉の田舎の普通科に通う、サッカー部(全く強豪でない)に所属する普通の高校生でした。先生によく考えろと言われるのも無理は有りませんね。
皆の進路が決まったころに出された進路一覧表の普通科の「その他」は1名と記載されていたことを覚えています。普通科からの留学はなかなか想定されていなかったようです。
留学をして、何をしたいか
その後も留学したいという漠然とした大きな思いは消えませんでした。当時は英語が全く話せなかったため、留学エージェントにお世話になることに決め、話を聞きに行くことにしました。
「留学して、その後は何をしたいですか?」「留学は英語を学ぶためにするのではありませんよ。」
またか。
ただこのシンプルな質問が一番重要でした。
エージェントとしては、留学をする目的によって、そもそも留学が一番の選択肢なのか、どのような環境が適切なのか(どの国のどの地域のどの学校がいいのか)、何を専攻すべきなのか、これらを検討しなくてはならなかったからです。
将来、何をしたいのか。
まずはこれをよく考える必要がありました。その手段として留学が適切なのか、見合った費用なのか。
何度も相談をするうちに、航空業界で働きたい。パイロットになる勉強をしたいと考えるようになりました。
しかし、航空学は日本でも東海大学や法政大学などで勉強できます。留学は必要ありません。しかし、私は世界で活躍できる人材になりたい、そのためには海外の文化に触れ広い視野を持つこと、人脈を広げることなど、国際社会で生きる教養を身に着けることも必要だという考えを持つようになりました。この考えが最終的に留学を選択した大きな点でした。
航空知識の習得 + 国際社会で活躍できる教養を身に着ける = 留学の目的
高校の先生が言っていた通り、個人的には言語を学ぶためだけに留学するのはその費用に見合わないと思います。
言語のための留学は駅前でできます。ブリティッシュパブに言って外国人に話しかければ無料レッスンになりますし、今ではいろいろなサービスやアプリを通して言語を学べます。
留学をして、何をしたいですか?
当たり前なのですが、まずはこれを明確にすることが大事です。
留学して何ができるかではなく、何かを達成するために適切な選択肢は何かです。
留学の結果として
私はパイロットになりたいという思いから、オーストラリアに留学を決め、アデレードにある大学の学部で航空学を専攻しました。この大学にした理由は、飛行訓練のできる空港が大学のすぐ横にあるからです。時を同じくして、今は無きJAL Expressの自社養成パイロット訓練生が訓練をしていました。今の会社でもこの空港で学んだ日本人やオーストラリア人パイロットがいます。
その後は航空業界についてもっと広く知りたいと考えるようになり、メルボルンに移動し大学院では航空産業管理学という学問を修了しました。在学中にアデレードの航空学校でインターンを終え帰国しました。
現在は航空会社に勤務し、管理業務についています。海外出張も多くあります。留学という選択肢が間違っていなかったと感じています。
海外で航空を学んだ点を大きく評価していただいたものと自分では理解しています。
将来は何をしたいか。
今は日本国内の航空会社にとどまらず、より広い世界で活躍したいという漠然とした「感覚」を持っています。
また留学でしょうか。何をしたいかを明確にして、適切な手段を考えないといけませんね。