これから大学の入試に挑む人や、社会人で大学に通いたいと考えている人など、大学に入る理由は様々です。
そこで今回はTimesの大学ランキングを紹介します。その大学の世界的な立ち位置を理解するのに、参考になると思います。
すでに卒業されている方も、自分の母校のレベルを今一度確認してみてはいかがでしょうか?
今回はTimesの大学ランキング2020の結果と、日本を含む各国の大学ランキングを紹介します。
目次
Times大学ランキングとは
Times Higher Education(THE)が毎年発表している世界の大学ランキングです。
最新のランキングは2020年版で、92か国の1,400の大学をランキング形式で格付けしています。
THEのサイトによるとランキングは下記の5つの分野にわけられた13の項目で評価されます。
まずはこの評価基準について説明します。
①teaching (the learning environment)
②research (volume, income and reputation)
③citations (research influence)
④international outlook (staff, students and research)
⑤industry income (knowledge transfer).
①teaching (the learning environment)
teachingの項目は全体の30%を占める項目です。
学習環境が主な評価基準になっています。5つの評価基準がありますので説明してきます。
カッコ内は、各基準の30%の内訳です。
①Reputation survey (15%):大学の好感度調査です。2018年の11月から2019年3月で実施された調査です。回答における学域や国の偏りがないように考慮されています。調査は2018年の調査を併せた約2.1万件の回答にもとづいています。
②Staff-to-student ratio (4.5%):職員の学生に対する割り合いです。学生一人に対して職員がどれだけいるかという内容です。
③Doctorate-to-bachelor’s ratio (2.25%):博士号の学士号に対する割り合いです。学士号に対して博士号がどれだけいるかという内容です。博士号が多いということはそれだけ高いレベルの教育が行われているということになります。
④Doctorates-awarded-to-academic-staff ratio (6%):博士号の職員に対する割り合いです。
⑤Institutional income (2.25%):大学の収益状況です。所属している職員数、つまり大学の規模が考慮されており、購買力平価(PPP: purchasing power parity)が使われています。これにより学生が利用できる施設設備の規模がわかるとされています。
②research (volume, income and reputation)
次は、研究の項目です。この項目も全体の30%を占める項目です。
研究の規模や収入が主な評価項目になっています。3つの評価基準がありますので説明してきます。
カッコ内は、各基準の30%の内訳です。
①Reputation survey (18%):好感度調査です。先ほどのteachingの項目で出てきた調査と同じものです。
②Research income (6%):研究による収入です。これも所属の職員数が考慮されており、 購買力平価(PPP: purchasing power parity)が使われています。
③Research productivity (6%):研究の生産性です。ジャーナルなどに発表された研究の数をみています。大学の規模が考慮されています。
③citations (research influence)
次の項目は、「引用」です。どれだけその大学の研究が影響をもたらしているかをみています。
全体の30%を占める項目です。
2014年から2019年の間にその大学の研究が、本、論文、ジャーナルなどでどれだけ引用されたかをみています。
④international outlook (staff, students and research)
次の項目は国際的観点での評価になります。全体の7.5%を占める項目です。
留学生数や外国籍職員数が主な評価項目です。
3つの評価項目があります。
カッコ内は、各基準の7.5%の内訳です。
①Proportion of international students (2.5%):留学生の割り合いです。
②Proportion of international staff (2.5%):外国籍職員の割り合いです。
③International collaboration (2.5%):国際協力の項目です。その大学が発表している論文などで、最低でも一人の海外共同著者が含まれている割り合いをみています。
⑤industry income (knowledge transfer)
産業における収入をみています。全体の2.5%を占める項目です。
産業に対してどれだけ知見を還元しているかを収入という観点から評価しています。
大学の規模などが考慮されています。
世界の大学トップ10
それではTHEが発表している、2020年の世界ランキングトップ10をみてみましょう。
カッコ内は国名と2019年の順位です。
① University of Oxford オックスフォード大学 (イギリス)(1位)
② California Institute of Technology カリフォルニア工科大学 (アメリカ)(5位)
③ University of Cambridge ケンブリッジ大学 (イギリス) (2位)
④ Stanford University スタンフォード大学 (アメリカ)(3位)
⑤ Massachusetts Institute of Technology マサチューセッツ工科大学 (アメリカ)(4位)
⑥ Princeton University プリンストン大学 (アメリカ)(7位)
⑦ Harvard University ハーバード大学 (アメリカ)(6位)
⑧ Yale University イェール大学 (アメリカ)(8位)
⑨ University of Chicago シカゴ大学 (アメリカ)(10位)
⑩ Imperial College London インペリアル・カレッジ・ロンドン (イギリス )(9位)
2019年の10位までの順位が入れ替わっていますが、それ以外の大学は入っていません。やはり世界トップはすごいですね。
イギリスとアメリカの大学しかトップ10には入っていません。
日本の大学トップ10
それでは日本の大学のランキングをみていきましょう。
THEのサイトでは国別に大学ランキングを調べることができますので、詳しいデータは同サイトをご覧ください。
カッコ内は世界の順位です。残念ながら200位以降はレンジで表示されます。
① 東京大学 (36位)
② 京都大学 (65位)
③ 東北大学 (251-300位)
④ 東京工業大学 (251-300位)
⑤ 名古屋大学 (301-350位)
⑥ 大阪大学 (301-350位)
⑦ 産業医科大学 (351-400位)
⑧ 藤田医科大学 (401-450位)
⑨ 北海道大学 (401-450位)
⑩ 九州大学 (401-450位)
アメリカの大学トップ10
先ほどの世界トップ10でほとんど出てしまっていますが、アメリカの大学トップ10をみていきましょう。
カッコ内は世界の順位です。
① California Institute of Technology カリフォルニア工科大学 (2位)
② Stanford University スタンフォード大学 (4位)
③ Massachusetts Institute of Technology マサチューセッツ工科大学 (5位)
④ Princeton University プリンストン大学 (6位)
⑤ Harvard University ハーバード大学 (7位)
⑥ Yale University イェール大学 (8位)
⑦ University of Chicago シカゴ大学 (9位)
⑧ University of Pennsylvania ペンシルベニア大学 (11位)
⑨ Johns Hopkins University ジョンズ・ホプキンズ大学 (12位)
⑩ University of California, Berkeley カリフォルニア大学バークレー校 (13位)
アメリカ大学のトップ10で世界13位までを占めています。アメリカに留学すれば間違いなしというところでしょうか。
イギリスの大学トップ10
イギリスの大学のトップ10です。トップ3は世界のトップ10に入っています。
① University of Oxford オックスフォード大学 (1位)
② University of Cambridge ケンブリッジ大学 (3位)
③ Imperial College London インペリアル・カレッジ・ロンドン (10位)
④ UCL ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン (15位)
⑤ London School of Economics and Political Science ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (27位)
⑥ University of Edinburgh エディンバラ大学 (30位)
⑦ King’s College London キングス・カレッジ・ロンドン (36位)
⑧ University of Manchester マンチェスター大学 (55位)
⑨ University of Warwick ウォーリック大学 (77位)
⑩ University of Bristol ブリストル大学 (87位)
10位でも世界の87位ですので、非常にレベルが高いイギリスの大学です。アメリカに次ぐ高いレベルですね。
オーストラリアの大学トップ10
オーストラリアは比較的留学しやすい国として知られています。レベルの高い大学が実は多いです。
トップ10が世界の200位以内に入っています。
① University of Melbourne メルボルン大学 (32位)
② Australian National University 国立オーストラリア大学 (50位)
③ University of Sydney シドニー大学 (60位)
④ University of Queensland クイーンズランド大学 (66位)
⑤ UNSW Sydney ニューサウスウェールズ大学 (71位)
⑥ Monash University モナシュ大学 (75位)
⑦ University of Adelaide アデレード大学 (120位)
⑧ University of Western Australia 西オーストラリア大学 (131位)
⑨ Queensland University of Technology クイーンズランド工科大学 (179位)
⑩ University of Canberra キャンベラ大学 (193位)
カナダの大学トップ10
次にカナダです。カナダも留学生が多いことで知られています。
① University of Toronto トロント大学 (18位)
② University of British Columbia ブリティッシュコロンビア大学 (34位)
③ McGill University マギル大学 (42位)
④ McMaster University マクマスター大学 (72位)
⑤ University of Montreal モントリオール大学 (85位)
⑥ University of Alberta アルバータ大学 (136位)
⑦ University of Ottawa オタワ大学 (141位)
⑧ University of Calgary カルガリー大学 (201-250位)
⑨ University of Waterloo ウォータールー大学 (201-250位)
⑩ Western University ウェスタン大学 (201-250位)
まとめ
いかがでしたでしょうか。大学選びの参考になれば幸いです。
やはりアメリカとイギリスの大学が世界を席巻している状態ですが、オーストラリアやカナダも頑張っています。
国の支援が減るなど苦しい状況ではありますが、日本の大学も今後期待したいところです。
世界で通用する国になるためには、やはり大学のレベルも重要になるのではないでしょうか。