今回は「撮影はご遠慮ください」という英語を間違えてしまった事例の紹介です。
「撮影はご遠慮ください」と書いたつもりが、「発砲はご遠慮ください」という、全く意味が違う英語になってしまった例です。参考になれば幸いです。
「撮影禁止」のはずか、「発砲禁止」に!
以前Twitterに、『「Please refrain from shooting in the shop」と書かれた看板が店の中にあり、オーストラリア人が固まっていた。』という内容の投稿がありました。
オーストラリア人が固まるのも無理ありません。
このご時世です。「発砲」なんていう言葉を見たらびっくりしますね。
例えば、あなたがハワイに海外旅行に行ってるとして、入ろうとしたお店に、日本語で丁寧に「店内での発砲はご遠慮ください」なんていう日本語のサインがあったらどうしますか?
私は静かにその場を去ります。
この投稿では、英語が “Please refrain from shooting in the shop.” となっており、「店内での発砲はご遠慮ください」という意味になります。
ネットの翻訳でもこの間違いはなかなか起きそうにありません。
英語が得意でない人が、 “photo shoot” の “shoot” を「撮影」と勘違いしたと考えられます。
文法的には、「撮影」という意味の “shoot” には目的語が必要です。
例えば、 “shoot a video” という感じです。(shoot + 目的語)
Cambridge Dictionaryの英英辞典で “shoot” の意味を調べると、一番上に来るのは、「銃弾や矢で人や動物を殺すもしくは傷つけること」です。
to fire a bullet or an arrow, or to hit, injure, or kill a person or animal by firing a bullet or arrow at him, her, or it:
Cambridge Dectionary (https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/shoot)
「撮影禁止」と伝えるはずが「発砲禁止」となってしまっていて、言ってしまえばとんでもない大間違いです。
あの有名YouTuberのマネージャーさんも同じ失敗をしてしまった!?
YouTubeチャンネル「Kevin’s English Room」でもこれと同じような失敗が紹介されていました。
仕事でアメリカに行ったときの入国審査審査で、マネージャーさんが入国審査官に「渡米の目的は?」と聞かれ、「ビジネスです。」と答えたところ、さらに審査官から「どのようなビジネスですか?」と聞かれ、このマネージャーさんは何と、「Shooting. Shooting. Shooting.」と答えたそうです。
入国審査官に対して、しかもセキュリティが厳重な空港の中で「発砲。発砲。発砲。」と発言したことになり、このあと別室に連れていかれたそうです。
伝えたかったこととしては、「YouTubeのための動画の撮影」だったようなのですが、「shooting」の意味を間違えてしまったという、同じような失敗でした。
最後は無事入国することができたそうなのですが、場所と相手によっては非常に危険な失敗になってしまいます。
では「撮影禁止」は英語でどのように表現する?
一番簡単な伝え方は、撮影禁止のマークを立てておくことです。
もはや英語ではありませんが、共通の「言語」としてはこれが一番簡単です。
このようなマークは世界共通ですので、英語に限らず、様々な言語に対応できます。

それでも「撮影禁止です」と明確に英語で記載したいという場合は、この撮影禁止マークと一緒に “No pictures” と一言書いておくことで、意味は伝わります。
固い表現の “refrain from” なんて、使う必要はないんです!
それでは、撮影禁止の場所で写真を撮りまくっている外国人には、どのように注意すればよいでしょうか?
英語を間違える人のに多いのは、難しく考えすぎて、難しい言葉や文法を使おうとする傾向です。
この場合は、 “You can’t take pictures here.” で伝わります。
ただ、 “can’t” は能力的にできないという意味のニュアンスになるので、ルールで許可されていないということを伝えたい場合は、 “You are not allowed to take pictures here.” でもよいでしょう。
まとめ
“Shooting” という単語を使うと「発砲」という意味になってしまうため、写真撮影という意味では使いません。
看板を立てて注意を促したい場合は、写真撮影禁止のマークの非言語コミュニケーションと、 “No pictures” という言葉で完結に伝えるとよいでしょう。
口頭で伝える場合は、 “You are not allowed to take pictures here.” という表現で、多くのケースはカバーできるはずです。
難しく考えると、言い回しも難しくなり、くどい表現になったり、本質からずれてしまうため、注意が必要です。
完結にどう伝えればわかりやすいかと考えると、自然と洗練された表現になるでしょう。
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